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「うつ」の人が運転する時に知っておいたほうがいいこと

      2017/06/02

最近、精神疾患と車の運転で、最も話題になっているのは、高齢者や認知症のドライバーについてのことだと思われます。また、一方で、てんかんの持病を持った人が、大きな交通死傷事故を起こした例も記憶に新しいところですね。

この2つの問題だけがキッカケとは言い切れませんが、平成26年6月より施行された改正道路交通法において、うつを患っている運転免許保持者、あるい、免許取得予定者に影響のある新たな制度がスタートしました。

皆さんは、内容をご存じですか?

予め知っておかないと、厳しい罰則が適応されてしまう可能性すらあるものなのです。そこで、知っておきたい「うつ」と運転に関する情報をご紹介します。長文となりますが、免許更新した私の経験談などもありますので、ぜひお付き合いください。

改正して新たにスタートした制度の内容とは?

昨年改定された道交法によって、「一定の病気等」にかかっている運転者には、症状によっては、免許停止あるいは免許取消という処分が下されるようになったのです。

この「一定の病気等」の中に、うつ病も入っているのです。

うつ病で治療中の方の場合、これまでは何も気にすることなしに、運転免許の更新や取得を行うことができました。しかし、法改正後の現在、更新や取得の際には、まず、自らがうつ病であることを申告する必要があり体調に関する5つの質問に回答することが求められるようになりました。

そして、その回答内容によって、主治医の運転に関する診断書が求められ、その診断内容によって、免許交付が適切であるかどうかが判断されるようになったのです。以下の記した5質問に「はい・いいえ」で答えることになります。

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体調に関する5つの質問

 

1.過去5年以内において、病気(病気の治療に伴う症状を含みます。)を原因として、又は原因はわからないが、意識を失ったことがある。

2.過去5年以内において、病気を原因として、身体の全部又は一部が、一時的に思い通りに動かせなくなったことがある。

3.過去5年以内において、十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまった回数が週3回以上ある。

4.過去1年以内において、次のいずれかに該当したことがある。

・飲酒を繰り返し、絶えず体にアルコールが入っている状態を3日以上続けたことが、3回以上ある。
・病気の治療のため、医師から飲酒をやめるよう言われているにもかかわらず、飲酒したことが3回以上ある。

 

5.病気を理由として、医師から、運転免許の取得又は運転を控えるよう言われている。

 

これらの5質問に当てはまるものがある場合でも、直ちに、免許停止や免許取消などにはなりませんので、とにかく、正確に回答することが大切です。

というのは、この回答段階で虚偽報告をした場合にも罰則があり、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科されます。

ですから、該当するものがある場合は、隠すことなく報告しましょう。

 

正直に申告しなければいけないの?

この質問段階で、該当するものがなければ、通常通り、免許更新等の手続きが行われます。しかし、もし症状的に引っかかる項目があった場合でも、主治医が運転能力に問題なしと判断して下されば、通常通りの手続きを行って、更新等が可能となります。

ということで、主治医の診断書が非常に大きなウエイトを占めるのです。

ですが、今回の法改正以前は、精神疾患を持っている場合でも、特に、病気を持っていることを申告する義務はありませんでした。だから、自ら「うつ病の治療をしています」と申告して、免許の更新や取得をしている人など皆無でしょう。

ですから、「現在、上記の5質問の症状がないのだから、今更、うつ病であることを公表しなくても良いのでは?」とも思ってしまいますよね。

しかし、今回の法改正では、うつ病が含まれる「一定の病気等」と診断した医師が、患者が運転免許を所持している場合は、各都道府県の公安委員会に、任意に届け出ることも可能になったのです。

ここも微妙なところで、『「任意」ですので、医師が届け出なければ良いのでは?』とも思いますよね。ですが、医師が届け出をしない状態で、もし、事故等が起きた場合、届け出をしていなかった医師にも不利益が生じる可能性があるのです。

ですから「任意」とは言え、半ば「強制」となるのではと見られています。

 

法改正から1年が経過…現状を調査

実際に、この法改正がなされて、1年以上経ちますが、現状がどのようであるかは把握出来ませんでした。いずれにしても、これまで警察等にうつ病であることを申告していなかった患者さんは、申告した方がよいでしょう。

そして、もしも、症状のチェックにおいて「はい」と答えたとしても、免許が交付されるか否かは、最終的には、主治医に求められる診断書の内容次第なのです。

ですから、もし、ご自身が現在は運転に支障がないと思うのならば、ちょっと手続きが煩雑になったというくらいに考えて、万が一の場合に備えて、

・「うつ病であることを申告する」

・「虚偽回答はしない」

ことがベターであると思われます。

 

主治医の診断書が非常に大きな意味を持ちますが、うつ病の場合ですと、

・「著しい精神運動制止がある」

・「判断能力に多大な障害があるため、明らかに運転は危険である」

と主治医が判断しなければ、免許の更新や取得は可能となるでしょう。

つまり、相当重症のうつ病である場合以外、主治医は運転可の診断を出して下さると思われます。

ですから、何となく、現在、もう既に際立った症状もなく、予防的に薬を飲んで治療を続けているというレベルの方にとっては、非常に差別的とも感じられる制度ですが、万が一、事故に巻き込まれた際、故意に病気を隠していたとした解釈されると、患者さん本人、主治医共に、不利益が生じる可能性が高くなります。

そうなるよりは、事前に、申告した上で、免許更新するなり取得するほうがベターであると考えられます。

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私の場合は…

私自身も、昨年の法改正の数ヶ月前が免許の更新時期でした。

法改正が近く行われるという情報が耳に入っていたのですが、現状、運転に問題となるような症状はないですし、わざわざ警察に申告する必要があるのだろうかと迷いと疑問が生じました。

その旨を主治医に相談し、意見を求めたところ、主治医は「差別的な法改正で、おかしな法律だと思うけれど、もしもの場合を考えると、申告しておくしかないよね…」と言われました。

そんなものなのかなと納得出来ない部分もあったのですが、主治医の指示通りにしたところ、現在、5質問の症状には当てはまらないのだけれども、医師の診断書が必要とのことでした。

再度、診断書を持参して来署し、診断書の内容に問題がないとのことで、通常の更新手続きを経て、無事、免許更新をすることが出来ました。因みに、免許証に病名などが記載されたりはしませんでした。

しかし、次回の更新からは、更新時の前に、自宅に診断書の用紙が届くとのことで、更新時には、主治医に記載してもらった診断書を持って来るようにと言われました。

ということは、更新時には、5項目の質問に引っかかる症状がなくても、その時点で、まだ治療が続いていたとしたら、毎回、診断書を必要とされるのでしょうか。ちょっと疑問に思っています。

 

虚偽回答や自己の病状を認識していた上で事故を起こした場合は?

因みに、もし、5項目の質問に虚偽回答をしたり、主治医に運転は危険であるから、運転を止められていたのに運転をし続け、事故を起こした場合、死亡事故の場合は懲役15年以下、負傷事故の場合は懲役12年以下の刑が下るとのことです。

 

自動車保険にも制限が出てくるの?

うつ病など病気を持っている場合、生命保険・医療保険にはなかなか入れなかったり、掛け金が高くなったりと、健康時とは扱いが異なってくることは、よく知られていますよね。

では、自動車保険の場合は、うつ病を持っていると問題があるのでしょうか。また、うつ病であったことをこれまで申告していない方がほとんどだと思いますが、何か支障はあるのでしょうか。

結論としては、自動車保険に関しては、病状に問題がないとして、免許が交付されているのですから、通常と何ら変わるところはないようです。

 

まとめ

今回の法改正で、うつ病を持っている場合、予め知っておかないとならないことが増えたかなという感じですね。

事故等を起こした、あるいは、巻き込まれた時、「そんな法改正は知らなかった!」では済まないのです。

今後は特に、「知らなかったから、病気の申告をしていなかった」では問題となるでしょう。

内容的には釈然としない部分もありますが、だからといって、虚偽回答や故意に病気を隠しておくことは、万が一の場合を考えると、結局は患者さん自身の不利益に、あるいは、主治医にも迷惑をかけることにしかならないようです。

ですから、うつ病を持ちながらも、運転をする必要性がある場合は、細心の注意を払って運転することは勿論ですが、必要な申告はしておくことが無難ということになるでしょう。

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