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スボレキサントは「せん妄予防」に効果あり?その真意を検証!

      2017/10/28

脳内のオレキシンに作用し、スボレキサント(薬名:ベルソムラ)ですが、最新の研究で「せん妄予防」に効果があることが分かってきました。

このコラムでは、せん妄の説明やスボレキサントがどのようにせん妄にアプローチするのかを分かりやすくまとめました。

せん妄自体はご老人の方に多い症状ですが、スボレキサントのおかげで高齢者医療の形態も大きく変わるかもしれません。

高齢者がおられるご家族の方や手術を控えている方はご参考にしてみてください。

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「せん妄」とは

「せん妄」とは
病気や薬剤・手術の影響で頭の中が混乱する状態を指します。特に高齢者の術後に多く見られ、せん妄が激しい場合暴力を伴うこともあるので、当然適切な看護も受けられなくなってしまいます。

また、幻覚を見たり異常な興奮状態になる方も少なくありません。

私の祖父も、癌の切除手術後ICU内でせん妄を起こし、軽い拘束(爪で体を傷つけないように手袋をはめる)を余儀なくされました。

花畑で旧友と遊んでいるといった幻覚も見られまし、常に会話自体が成り立たない状態でした。

認知症とせん妄の違いとは

素人目に見れば「認知症」と「せん妄」の区別はつきにくいものと言われています。

決定的な違いは、遅効性か突発性かの違いです。認知症は症状が期間を経てゆっくり現れるのに対し、せん妄は急激に症状が現れます。

また、せん妄においては環境を変えるなどの措置で、数日から長くて数週間で症状は回復します。認知症の場合はそのような急速な回復はありません。

 

スボレキサントがせん妄予防に繋がるのはなぜ?

スボレキサントがせん妄予防に繋がるのはなぜ?
せん妄状態になる主な原因の一つとして「睡眠サイクルの変化」が挙げられます。

術後や自宅療養中に限らず睡眠をよく取れていなかったり、眠りが浅い状態が続いたり、体内リズムが狂うと「せん妄状態」に繋がると判明しました。

スボレキサントはオレキシンという脳内の覚醒物質に作用するという、従来の睡眠薬とは違ったアプローチをします。

よって、睡眠の質を変化させることなく「睡眠サイクルの変化」を改善することが可能なのです。

なぜ従来の睡眠薬ではいけないの?

従来の睡眠薬は神経生理学的な変化を生んでしまいます。噛み砕いて言うと、無理やりな入眠になりがちだと言えます。

当然、強制的に眠気を誘うので身体が持っている治癒機能や体内リズムは崩壊してしまいます。

スボレキサントは体内サイクルを狂わせず眠気を感じるので、自然な眠り方ができることがメリットです。

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スボレキサントのせん妄予防の実用性

スボレキサントのせん妄予防の実用性
順天堂大学大学院医学研究科の研究結果によると、救急で運ばれてきた高齢者にスボレキサントを投与すると全てのケースでせん妄の予防に繋がったとの報告がなされています。

せん妄状態は高齢者の深夜徘徊による転倒・転落も抑止できますので、看護師の負担も改善されると思います。

せん妄予防に関しては今まで実用性のある手段がなかったゆえに、この研究結果及びスボレキサントの有効性・実用性については今後の高齢者看護を大きく変化させるものと期待されています。

せん妄予防はよく分かったけど、副作用が心配な方へ

同じく順天堂大学大学院医学研究科の研究結果を引用すると、投与した患者に重篤な副作用は確認できなかったとのことです。

従来の睡眠薬では、逆に症状が酷くなったり副作用の問題で睡眠薬の投与には慎重にならざるをえなかった部分もありますが、まさに理想的な薬ということが分かりますね。

 

もちろん高齢者だけではなく不眠症患者にも応用可能

もちろん高齢者だけではなく不眠症患者にも応用可能
副作用や耐性・依存性の心配をクリアした新薬ですので、若年層や中年層の不眠にも効果が期待できます。

作用はマイルドで作用時間は中期型の睡眠薬ですので、寝つきが悪かったり夜中何度も目が覚めてしまう人に向いています。

そして老若男女様々なケースで使える薬というのは、今までの常識を覆す画期的な薬だと言えます。

新薬扱いなので今後の普及に期待

ベルソムラは2014年に発売された薬ですので、まだまだ新薬扱いとなり薬価も高いです。ですので、医療の現場にも浸透しきっていないのが現実です。

しかし臨床結果が増えるとメリット・デメリットも明らかになってくるので、今後の普及も加速してゆくでしょう。

まずは不眠治療で第一薬として認知されることが最初の階段を上がる第一歩かなと個人的には感じます。

 

まとめ

せん妄におけるスボレキサントの有効性について簡単に説明しましたが、不眠症だけではなく特に高齢者看護の分野にいい変化をもたらす薬という側面もよく理解していただけたと思います。

せん妄状態の拘束については安全上とはいえど人権にも関わってくるものであり、拘束の必要性の可否を問われるかなりナイーブな問題です。

そのような問題をクリアにする薬が広く普及すると、看護の世界も一変する可能性があります。スボレキサントのようないい薬に関してはどんどん広まっていって欲しいですし、突き詰めると医療の質も改善されていくのではないかと思います。

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